「アメリカ映画から、アメリカを学んだ」というとこういう風に断ずる人もいる。「アメリカ映画には、自分たちの社会や文化を美化して描くことで、アメリカンウェイを世界に広めようというたくらみが隠されている。おまえはそれにまんまと乗せられているんじゃないのか」反論する価値さえない話だが、あえていえば、アメリカはだれかの号令にたやすくなびくような一元的な社会ではない。きわめて多様な価値観や人種が混交した社会であり、また、それが最大の財産となっている国だ。かりに、映画産業に従事する人たちがだれかから「文化による侵略命令」を受けたとしても、彼らがそれに従う可能性はゼロに近い。彼らはただ、自分たちが儲かると思う映画をつくるだけなのである。