暮らしの総合ブログ

流動食よ、さようなら!最新の入れ歯技術

2011年01月21日

ここでは、MTコネクターの使用者の声をお届けしたい。プライバシーの関係から仮名にしたが、いずれも私が取材して直接うかがった話である。最初の方は、石本さんだ。「いろいろな歯医者にかかりましたが、噛み合わせがどうしてもうまくいかないんです。削ってもらった当座はいいのですが、すぐに歯ぐきが痛くなって、とうてい噛める状態ではありませんでした。入れ歯を使わないために豆腐のようなやわらかいもの、それに流動食を流し込む感じでした」当時の石本さんは上の歯はすべて抜け、下は右奥歯が1本、左奥歯が2本残っているだけだった。この状態で入れ歯が合わなければ、どうしても流動食のような食事にならざるを得ない。平成19年4月末、石本さんは図書館の本でMTコネクターを知る。インターネットでも調べ、すぐに先生に相談している。「ワラにもすがる思いでした。先生に入れ歯をつくっていただいて何よりもよかったことは、食事が食事になったことです。何でも食べられるようになりましたし、素材の持つ味わいとか、食事の温かさや冷たさも実感できるようになりました。『ああ、食べているなあ』という実感でいっぱいです」MTコネクターは、基本的に1本の丈夫な歯が残っていればOKだ。石本さんの場合、丈夫な歯が残っている下はMTコネクターにできたが、歯がない上はMTコネクターにできない。そこで、上の入れ歯は、上アゴの粘膜に密着する床口蓋部に厚さ0.35ミリのウィロニウムを使ったものにした。「治療義歯を3ヶ月入れましたが、このときから具合がよくて、先生から『すごい噛んでますね』と言われました。本義歯になってからも、『ちょっと噛みすぎですよ』と言われているほどなんです。噛めることがうれしくてうれしくて、つい噛みすぎてしまうんですね」ものが噛めることの喜び……。石本さんの言葉の端々から、この喜びが伝わってくる。以前の状態を思えば、それも当然のことだろう。上下とも先生につくってもらったため、噛み合わせもきちんと調整された。石本さんの好物はおせんべいとアワビだというが、先生の入れ歯で、久しぶりにおせんべいとアワビの食感が味わえている。「昔の私を知っている友人と食事をすると、平気で硬いものを食べている私を見て、『えっ、どうしたんだ!』とびっくりします。コネクターを外して見せて先生の話をすると、興味津々ですよ。身を乗り出してきます」先生の入れ歯にして、体調面でのうれしい変化もあった。噛み合わせが正常になったことで、しつこかった肩こりと腰痛から解放されたのだ。「食事の献立で苦労していた家内も、楽になったようです。『ちょっとしたことでも、何か気になったらすぐにきてください。調整しますから』と言われていますし、先生には心から感謝しています。ぜひ、ぜひ、このひと言を忘れずに入れてください、お願いします」取材の最後に、石本さんから強く念を押されてしまった。